研究課題/領域番号 |
23686039
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研究種目 |
若手研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高畑 智之 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 講師 (80529652)
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キーワード | 知能機械 / マイクロ・ナノデバイス / 同軸光学系 / シリコン三次元加工 |
研究概要 |
色、距離、温度の三種類の画像を同じ視野で1枚の画像として撮影するカメラを実現するために、可視光、近赤外光、遠赤外光という質の異なる光を同一の光軸で撮影する撮像システムの研究を行う。平成23年度は、同軸撮像素子の構成法の確立を目標として、シリコンフレネルレンズを設計し、可視光・遠赤外光同軸レンズの試作と評価を行った。 同軸結像系の周辺部はシリコンをフレネルレンズに三次元加工したもので、遠赤外光を結像するために用いる。フレネルレンズの外形は一辺が12mmの正方形で、焦点距離が10mmになるように設計した。三次元加工により形状を球面に限らず設計できる利点を活かし、レンズの球面収差を抑えるために、曲率半径が中心部では25mm、周辺部では35mmとした。また、中央部は可視光用のガラスレンズを固定するための直径5mmの穴を開けた。以上のフレネルレンズと中心部の穴を三次元加工で一括製作した。触診段差計を用いた形状計測で設計どおりに作製できたことを確認した。三次元形状の高低差は最大で180μmであり、これまでの7.2倍を達成した。同軸結像系の中心部には市販のガラスレンズで直径が5mm、焦点距離がの10mmものを使用した。 光学系の評価として、同軸光学系の中心軸のずれの計測を行った。可視光から遠赤外光を発する熱源を光源として用い、その像を同軸光学系で紙のスクリーンに結び、その像をCMOSカメラおよびサーモグラフィによって観察した。光源の場所を9点に変えつつ計測した結果、二種のレンズの中心軸の方向のずれが1.2°に抑えられたことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画どおりに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、当初計画に従って、可視光と遠赤外光を同軸で撮影することのできる同軸撮像素子の研究に進む。
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