研究課題/領域番号 |
23686039
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高畑 智之 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 講師 (80529652)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 知能機械 / マイクロ・ナノデバイス / 同軸光学系 / シリコン三次元加工 |
研究概要 |
色、距離、温度の三種類の画像を同じ視野で1枚の画像として撮影するカメラを実現するために、可視光、近赤外光、遠赤外光という質の異なる光を同一の光軸で撮影する撮像システムの研究を行う。平成24年度は、色、温度同軸撮像システムの設計を行い、試作を進めた。 三種類の画像を取得するにあたり、まずは可視光、近赤外光、遠赤外光のうちで透過する材料などの特徴が異なる可視光と遠赤外光を対象とした。結像レンズには、前年度に研究したガラスとシリコンからなるハイブリッドレンズを用いることにした。可視光と遠赤外光を同時に撮影するシステムを検討した結果、可視光と遠赤外光をビームスプリッタで分割し、それぞれ対応する波長の撮像素子で撮影する構成を取ることにした。システムの光学設計を行った。 結像レンズの中心部分を半径3mm、曲率半径40mmのガラスレンズとし、周辺部を半径6mm、曲率半径80mmのシリコンフレネルレンズとする。その後方に厚さ0.5mmのシリコンのビームスプリッタを置く。可視光はシリコンで反射され、遠赤外光はシリコンを透過する。可視光と遠赤外光の撮像素子は、一般に手に入るものとして、それぞれ対角で1/2インチと1インチとした。対応する波長の光が焦点を結ぶ位置に撮像素子を置くことで、光軸が一致し、画角もほとんど等しい撮像システムを実現することができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は当初計画においては、色、温度同軸撮像の特性計測まで行う予定であったが、方法の検討および光学系の設計に時間がかかったために、特性計測までは至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、距離計測の光学系の設計、試作を行い、同軸光学系を完成させる。 近赤外光のみを透過するビームスプリッタとして、光学的バンドパスフィルタとなるMEMS のナノ構造体などの構造を検討し、試作して、特性を評価する。さらに距離計測ユニットを導入して、距離画像の取得を行う。 最後に、各要素を組み合わせた撮像システムを試作し、異種画像の取得実験を通じてシステムの評価を行う。色・距離・温度の各画像の光軸と視野角度を評価し、同一の光軸を持つことを示す。距離画像については計測可能な距離範囲と距離精度を評価する。温度画像については計測可能な温度の範囲と温度の精度を評価する。
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