色、距離、温度の三種類の画像を同じ視野で1枚の画像として撮影するカメラを実現するために、可視光、近赤外光、遠赤外光という質の異なる光を同一の光軸で撮影する撮像システムの研究を行う。平成25年度は、色、温度同軸撮像実験をした後に、レンズの再設計、試作を行った。さらに平成26年度は、色、温度同軸撮像の再実験を行い、距離計測と組み合わせた。 平成24年度までに試作したレンズでは温度画像の撮像が困難であったため、可視光、遠赤外光同軸レンズを再設計した。外側のシリコンレンズは、平凸の球面レンズの中央に穴を開けたもので、直径25.4mm(1インチ)、穴の直径6.25mm(1/4インチ)、厚さ3mmとした。シリコンレンズの球面の曲率半径を126mmとすることで、焦点距離が50mmになるようにした。シリコンの切削や研磨などの加工を外注してシリコンレンズを試作した。シリコン中空レンズの穴に直径6mmのガラスレンズをはめ込んで同軸レンズとした。可視光と遠赤外光を分離するビームスプリッタとしてシリコン平板を用いた。撮像素子には可視光のイメージャおよび遠赤外光のイメージャを用いた。それぞれの光学素子の位置や角度を光学シミュレーションにより設計した。この光学系を組み、撮像実験をした。二種の画像はよく一致した。また、レンズの位置を動かすことで、二種の画像の焦点位置を同時に変更できることも確認した。最終的に、距離計測と組み合わせ、色、距離、温度の画像を得た。
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