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2011 年度 実績報告書

ベアリングレスモータの小形化・低消費電力化と次世代クリーンデバイスへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 23686041
研究機関静岡大学

研究代表者

朝間 淳一  静岡大学, 工学部, 准教授 (70447522)

キーワード精密機械システム / ベアリングレスモータ / 磁気軸受 / 磁気浮上
研究概要

ベアリングレスモータは,固定子に回転・磁気浮上巻線の2種類を施すことで,磁気力により回転主軸を非接触で支持するモータであり,半導体製造分野等でのポンプ,真空ステージ,バイオリアクタ等のクリーンデバイスへの応用が脚光を浴びている.しかし,既存のベアリングレスモータは,回転子の回転方向以外の5自由度運動を安定化させるために,多くのセンサ,アクチュエータ,アンプが必要となり,小形化・低消費電力化・低コスト化が普及への課題である.そこで本研究では,1自由度能動制御のみで磁気浮上回転が可能なベアリングレスモータ(SDBelM)の実現と,それを応用した既存の限界を打破する次世代クリーンデバイスの実現を目的とする.平成23年度は,以下の研究成果を得た.
【高速スピンドル用】試作した円筒形回転子を有するSDBelMにて,非制御方向の共振が,剛性から算出される共振点の半分の回転数で発生した.これは回転子永久磁石の構成が原因で,回転周期の2倍の周波数の外乱が作用したためであった.そこで,新たに改善した回転子を製作し,最大回転数の向上を図った.
【ステージ用】SDBelMのさらなる応用を見据え,円板形状の回転子を有するSDBelMを2種類提案し,試作を行った.このSDBelMには永久磁石反発形受動磁気軸受を備えているが,運動の干渉,解析値と実験値の差異等が原因で磁気浮上には至らなかった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

【高速スピンドル用】最大回転数は増加したが,共振点でタッチダウンし,高速回転には至っていないため.
【ステージ用】安定な磁気支持が実現できていないため.

今後の研究の推進方策

【高速スピンドル用】SDBelMの非制御方向の振動低減,共振点通過,および超高速回転の実現を目指す.磁気的アンバランスが原因で振動が大きいため,現在の2極から4極に変更することでさらなる振動低減を図る.
【ステージ用】タッチダウンの原因を調査し,その改善策を講じる.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Reduction of force interference and performance improvement of a consequent-pole bearingless motor2012

    • 著者名/発表者名
      J. Asama, R. Kawata, T. Tamura, T. Oiwa, and A. Chiba
    • 雑誌名

      Precision Engineering

      巻: 1 ページ: 10-18

    • DOI

      10.1016/j.precisioneng.2011.05.002

    • 査読あり
  • [学会発表] シングルドライブベアリングレスモータの回転性能向上2012

    • 著者名/発表者名
      浜崎祐樹,朝間淳一,大岩孝彰,千葉明
    • 学会等名
      平成24年電気学会全国大会
    • 発表場所
      広島工業大学(広島県)
    • 年月日
      20120321-20120323
  • [学会発表] コアレスコイルを用いたシングルドライブベアリングレスモータの磁気支持力2012

    • 著者名/発表者名
      山崎星,朝間淳一,大岩孝彰,千葉明
    • 学会等名
      平成24年電気学会全国大会
    • 発表場所
      広島工業大学(広島県)
    • 年月日
      20120321-20120323
  • [学会発表] 小形遠心ポンプ用ベアリングレスモータの磁気支持性能2012

    • 著者名/発表者名
      田村智康,朝間淳一,大岩孝彰,千葉明
    • 学会等名
      平成24年電気学会全国大会
    • 発表場所
      広島工業大学(広島県)
    • 年月日
      20120321-20120323
  • [学会発表] 磁気浮上式小形遠心ポンプ用ベアリングレスディスクモータの基礎特性2011

    • 著者名/発表者名
      田村智康,川田亮,朝間淳一,大岩孝彰,千葉明
    • 学会等名
      2011年度日本機械学会年次大会
    • 発表場所
      東京工業大学(東京都)
    • 年月日
      20110911-20110914
  • [学会発表] シングルドライブベアリングレスモータにおけるラジアル剛性の評価2011

    • 著者名/発表者名
      浜崎祐樹,朝間淳一,大岩孝彰,千葉明
    • 学会等名
      平成23年度電気学会産業応用部門大会
    • 発表場所
      琉球大学(沖縄県)
    • 年月日
      20110906-20110908
  • [学会発表] A Novel Concept of a Single-Drive Bearingless Motor2011

    • 著者名/発表者名
      J. Asama, Y. Hamasaki, T. Oiwa, and A. Chiba
    • 学会等名
      2011 IEEE International Electric Machines & Drives Conference
    • 発表場所
      Niagara Falls (Canada)
    • 年月日
      20110515-20110518
  • [学会発表] Performance Improvemenet of a Bearingless Motor with Harmonics Reduction in Magneto-Motive Force Distribution2011

    • 著者名/発表者名
      R. Kawata, T. Tamura, J. Asama, T. Oiwa, and A. Chiba
    • 学会等名
      4th International Conference on Manufacturing, Machine Design and Tribology
    • 発表場所
      Hotel TAKESHIMA (Gamagori, Aichi, Japan)
    • 年月日
      20110424-20110427
  • [備考] 朝間研究室ホームページ

    • URL

      http://www.ipc.shizuoka.ac.jp/~tjasama/

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公開日: 2014-07-24  

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