研究概要 |
申請者はこれまで全く注目されていなかった磁場中での多数の磁性要素間の相互作用を効果的に利用することで全く新しい駆動構造を作製できることを見出した.特長は以下の2点である. 「均一磁場中においても多様な変形パターンを生成」 「磁気アクチュエータが本来不得手とする微小構造の駆動が可能」 これらの特徴を活かし,多様な変形が可能な超微細アクチュエータを作製する. H23年度は,予備実験で行ったレーザ加工機を用いたプロセスで構造を作製する.予備実験ではレーザ加工機を用いミリメートルスケールから数十マイクロメートルスケールまでの構造作製が可能であったが,さらなる微細化を検討し,新たな微細レーザ加工装置の構築準備を行った.現在,光源およびガルバノミラーを組み込んだ装置を作製中である.これにより,シングルマイクロまでの構造の作製が可能となる.また,レーザ加工と同時に光硬化性樹脂を用いたリソグラフィによる構造の作製も試みた.フォトレジスト材料による鋳型とシリコーン樹脂の転写により,アクチュエータを作製し,変位量の評価を行った.本研究で提案する構造は非常にシンプルであり,様々な材料加工手段を応用することが可能であることが示せた. また,実際の変形を説明するための解析システムを2種作成した.まず,一種類は,有限要素法を用いた磁場解析を用いたものである.これにより系の磁気エネルギを評価することができた.もう一種類は個別要素法を応用したものであり,磁気相互作用の評価を高速に行うことが可能となった.
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