ケミカルロボットを構築するために、前年度までは主にアクチュエータなど駆動系に関する研究を実施してきた。これらを統合するためにアセンブリに関する研究として、ゲルの接着方法の確立と、ゲルのファイバー化に成功した。具体的には、電荷を有するゲル同士をシリカナノ粒子をゲルとゲルの間に塗布することで、接着することを見出した。この手法はpHによって制御することが可能であることと、接着が可逆的であることが特徴である。pHが低い領域から中性において接着し、pHを中性以上にすると剥離する。また、ポリマー溶液に高電圧を印加することで、ナノファイバー構造やナノ粒子構造を作成しゲル化することに成功した。これらは環境を制御することでナノサイズの形状を制御することが可能である。これらの技術はケミカルロボットのアセンブリ技術、成型加工の基礎的な技術となった。また、ケミカルロボットだけでなく、ゲルや高分子の成型加工に大いに貢献できる技術である。
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