研究課題
平成23年度の研究成果より、力覚フィードバック性能を損なうことなく鉗子型ハプティックシステムの更なる多自由度化を実現するためには、新しいダイレクトドライブアクチュエーション技術の開発が必要不可欠であることが明らかになった。そこで、昨年度では、多自由度鉗子型ハプティックシステムのピッチ自由度とヨー自由度を実現するための、円弧形シャフトモータの試作開発を行った。そして、円弧形シャフトモータ試作機の基本特性評価実験の結果から、この独創的なアクチュエーション技術は実世界ハプティクスへの応用が十分に可能であり、この技術をさらに発展させることで革新的な多自由度ハプティックシステムの実現が期待できるとの知見を得た。このような大きな研究成果を得たことを受け、本年度ではまず円弧形シャフトモータのモーションコントロール技術の開発研究を行った。ロバストな角度制御、力センサを用いない広帯域での力制御、2台の円弧形シャフトモータ間での力覚フィードバック制御が実現できることを試作機を用いて実験実証した。また、円弧形状の固定子パイプ内への装入に適した断面が台形形状をした円筒ネオジム磁石を設計試作し、可動子部のコイルと固定子部のネオジム磁石との間のギャップ設計についても改良を行うなど、円弧形シャフトモータの高推力化に向けた研究を併せて実施した。電磁界解析ソフトウェアを用いた数値解析結果と、今年度に試作した新構造の円弧形シャフトモータに対する基礎実験結果から、多自由度鉗子型ハプティックシステムへ実用するために十分に高い推力特性を獲得できたことを確認した。これらの結果を受け、年度末においては高推力円弧形シャフトモータを実装した二自由度バイラテラルプラットフォームを開発し、鉗子型ハプティックシステムの多自由度化を実現するための新しいアクチュエーション技術を確立した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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電気学会論文誌産業応用部門誌
巻: Vol. 134-D, No. 2 ページ: 115-126
10.1541/ieejias.134.115
http://www.tsl.ynu.ac.jp/