研究課題/領域番号 |
23686049
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中根 了昌 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (50422332)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 結晶成長 / 電子・電気材料 / 電子デバイス・機器 / 量子閉じ込め |
研究概要 |
本研究での目標であるスピンフィルター磁性ヘテロ構造を創製するために、Si基板上にエピタキシャル薄膜を作製することがその基盤となる。今年度は引き続き、その項目について研究をおこなった。 研究に用いる材料は酸化物であるため、Si基板直上に作製する層が結晶成長の要となる。従って他のグループにてエピタキシャル成長の報告のあるγ-Al2O3層を同じ方法にて作製することとした。具体的にはSiO2基板上に堆積したAlをアニールしてγ-Al2O3を固相成長する方法である。基板はSi(111)を用い、SiO2層はRCA化学洗浄後にHClを用いて作製した。SiO2層を含む基板のRHEEDパターンはSi基板との明瞭な違いが見られず、またAl堆積後やアニール後にも明瞭な違いが見られなかった。このことは超薄膜であること、或いはアモルファスであることが原因として考えられる.X線光電子分光法(XPS)により評価をおこなったところ、結晶相に近い状態は見られているものの、化学量論比も含め、それらを決定づけるまでには至っていない。したがって、評価法自体を多角的に行う必要性と、Al作製法(今回はPLDを使用していた)を変更する必要があると結論した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題を遂行するために既存実験装置の拡張をおこなったが、この作業に時間を要したことが大きな理由である。具体的には、購入・導入した機器の配置不備や納入時の破損などである。
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今後の研究の推進方策 |
これまではPLD法をもちいたAlの堆積を行っていたが、今年度はKセルによる方法で試行する。また、γ-Al2O3の反応温度が比較的高温であるため、立方晶系の他の酸化物薄膜についても同様の固相成長を試みて、反応温度の低い材料を見出すこともおこなう。これらによって良質なバッファー層が作製できれば、PLD法によって酸化物ヘテロ構造の作製を試みる。
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