本研究での目標であるスピンフィルター磁性ヘテロ構造を創製するために、Si基板上にエピタキシャル薄膜緩衝層を作製することがその基盤となる。この課題について特に取組み、γ-Al2O3層の電子ビーム蒸着法による作製やパルスレーザー堆積法による作製、それらに加え、意図的に酸化したSi基板上に、パルスレーザー堆積法、或いはKセルによってAl薄膜を堆積して熱により固相成長する方法もおこなった。 高速反射電子回折、原子間力顕微鏡、X線光電子分光、による評価をおこなった。これらによって、Si基板を酸化しない結晶相に近い層は作製できたが、化学量論比や緩衝層上に磁性薄膜を作製するまでには至らなかった。
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