研究概要 |
本研究の目的は,革新的ナノスケールエネルギー変換デバイスを創製することである。本目的を遂行するため,量子ドット(QD)によって構成されるナノスケール光エネルギー伝送路(近接場光カップラー)を実証する.本デバイスを実現するには、QDの寸法誤差を10%以内に抑える必要がある.かかる高精度寸法制御技術を実現するために,当人が開発した光アシスト寸法制御技術を利用し,許容範囲とされるレベルまで寸法誤差を抑制することを行った。 本研究で取り扱うZnO QDの合成のために光アシストによるゾル・ゲル法の開発を行っており,これまでに,ZnO QDに吸収される波長325nmの光を用いて粒径誤差を15%まで低減することに成功している. 光アシストによるゾル・ゲル法でのZnO QDの成長には約1週間を要するため,今年度は、本実験専用の,ドラフトチャンバーを導入した。 QDに吸収されない波長の光である670nmの光(今年度導入)を使用して、粒径制御の検討を行った。その結果、QDに発生した近接場光によってより小さいQDの成長が促進されることを発見した。この効果を用いることで、QDの粒径誤差を28%から21%まで低減させることに成功した。 さらに、エネルギー変換デバイスのエネルギー変換領域を広げるため、可視光で発光波長の制御が可能なZnAgInS(ZAIS)ナノ結晶の合成を行った。ZAISナノ結晶の合成には光援用のホットソープ法を用いた。その結果、ZnO QDで見られた、粒径制御性に加えて、組成の制御性についても制御可能であることが明らかになった。
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