研究課題
昨年度すでに人工ジャイロ磁性の基本的物性を明らかにしており、この結果を踏まえて今年度は詳細な物性と更なる応用について研究を行った。進行波共振回路において波動の単向性をFET(電界効果トランジスタ)により実現しており、相互変調歪み(IMD), 入出力における電力飽和等が顕在化することが予想された。これについて、三次相互変調歪みを試作したサーキュレータならびにアイソレータに対して評価し、電源電圧との関係を評価した。その結果、デバイスに対する入力電力は各進行波共振器に分散され、結果としてFET単体の場合と比較して非線形特性が改善されることを確認した。人工ジャイロ磁性の更なる応用として、サーキュレーターの研究をまとめた上で、新たに双方向スイッチングが可能な単向性要素をFETにより実現し、これにより非可逆性の制御が動的に可能な導波型マイクロ波デバイスならびに人工電磁非可逆境界に関する研究を行なった。具体的には(1) 通過方向の切り替えが可能なアイソレータならびにサーキュレーター:素子の透過・遮断方向を制御信号により制御できる素子。従来のフェライトにおいては磁界の印加方向を逆転することに対応し、必然的に電磁石を必要とするが、これを人工ジャイロ磁性による実装で一切排除することができる。(2) ファラデー回転角の切り替えが可能な人工電磁非可逆境界:境界面に対する透過方向・遮断方向を制御信号により制御できる人工電磁境界面を作成する。従来のフェライトにおけるファラデー回転の磁場方向による制御に対応するが、伝搬方向に磁界を印加する必要があり従来技術では実現不可能なものである。以上の成果を学術論文3件、査読付き国際会議論文7件として発表した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (12件) (うち招待講演 6件)
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