研究課題
本研究では、新たな水中設置型の小型栄養塩測定システムを開発し、栄養塩を高い頻度で連続測定することを可能にし、これを流速や水質のモニタリングシステムと組み合わせて運用することで、河川からの急激な栄養塩の流入過程や底泥からの栄養塩の溶出を明らかにし、内湾の水質変動と栄養塩の変動メカニズムを解明して、東京湾のような内湾における栄養塩循環を明らかにすることを目的としている。詳細な栄養塩フラックスの定量化のために、栄養塩測定システムを東京湾の台場保安部桟橋に設置して、モニタリングを継続した。現地計測においては、降雨時のイベント的な輸送を捉えるために、1時間間隔で、モニタリングを実施した。測定項目は、HADCPを用いた流速・音波強度によるSS推定、これらを補うため、YSI6600等により、クロロフィル蛍光・濁度・DO・水温・塩分等を測定し、開発した栄養塩センサーによりアンモニア、硝酸を測定した。これにより栄養塩のフラックスを1時間間隔というこれまでになく短い時間スケールで観測することに成功した。また、上記を補足するために夏季に2週間に1回程度の観測を数回行い、濁度や栄養塩の関係式を作成した。これにより10分間隔で栄養塩フラックスを算定することが可能になった。今後はこのシステムを用いて雨天時合流式下水道越流水の影響把握を行い、東京湾湾奥部の海浜公園の環境改善に役立てる予定である。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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WIT Transactions on Ecology and the Environment
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