本年度は,ドライブレコーダで記録される対四輪ニアミスイベントの分類方法に関する位置づけの明確化,および,運転により発生するニアミス頻度を客観的な指標として評価するために用いる交通暴露量の提案を行い,その指標によりニアミス発生頻度を客観的な指標により評価する指標を提案した. わが国における事故データあるいはニアミスデータベースでは,イベントを要因により細かく分類する形で整理をするが,今回提案している方法は典型的なパターンとして整理している点がことなり,類似のニアミスイベントを集めやすいことが特徴であることや,類似の考え方によるデータの整理の仕方として判例タイムズが示している分類方法があること,海外の事故データは上記の両者の特性を持たせたデータベースの構造をしていることなどを整理した. また,多様なパターンを持つニアミスイベントの発生率を客観的に評価するためには既存の走行距離あたりのニアミス発生頻度という形での指標では不十分であるとの認識から,走行距離を単路部および交差点部の規模別,交通環境別に集計しそれぞれの割合に対してそれらの走行時に発生する可能性のあるニアミスイベントの発生頻度という形で指標化する方法を提案した.走行環境ごとに発生する可能性のあるイベントに限定した形でリスク指標化することによりこれまでの走行距離あたりで指標化したニアミス発生率とは大小関係が異なる結果が得られること等を示した.
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