次世代シーケンシング法(NGS)を用いて水環境中の多種多様なウイルスを網羅的に同定する技術の開発を行った。流入下水を調査対象とし,試料の前処理手法,NGSによる塩基配列獲得手法,得られた配列データの解析方法についてそれぞれ検討し,実際にウイルスの検出・同定を行った。ノロウイルスの解析では既存の手法より多くの遺伝子型の検出に成功し,また存在量の少ない遺伝子型も検出できることを示した。RNAウイルスのメタゲノム解析では,下水中の大多数のウイルスが未同定であることが明らかとなった。また,これまで国内で検出例がないウイルスを含む11属の既知ウイルスが検出され,本手法の有用性が示された。
|