研究課題
平成25年度には、平成23~24年度に得た知見をベースとして、更に高い自己治癒ポテンシャルを持つFRCCの材料設計について前年度に引き続き検討を行った。特に、これまで必ずしも自己治癒に有効とは考えていなかった鋼繊維を用いたFRCCについて、低W/Bかつひずみ硬化現象を発現するような極めて高い力学性能を有する調合においては、高い自己治癒性状を見せることを確認した。この他、施工性と経済性に優れる改良型ポリプロピレン繊維の利用や、混和剤としてポリビニルアルコールの混入量の増大により、より高い自己治癒効果を得られることを確認した。これらの現象は、導入した透気試験や水密試験によってバルクとしての性状を確認したほか、成分分析などによってそのメカニズムについても検討を行った。また、実施工を意識した試験・検討として、屋外環境に暴露しての経時的な変化を確認したほか、パネル形状の供試体を作製して、施工性や納まりも含めての基礎的な検討に着手することができた。パネル目地にも同様の自己治癒FRCCを用いることで、広い面に対しても継ぎ目なくひび割れ自己治癒を期待できるレイヤーを設置できるものと考えられる。これらの研究成果は、国際誌での論文発表のほか、自己治癒材料を単独テーマとした国際会議(ICSHM2013)、建設材料のサステナビリティに関する国際会議(SCMT3)、日本建築学会(北海道)、日本コンクリート工学会(名古屋)などに発表した。引き続き、論文投稿を準備中である。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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コンクリート工学年次論文集
巻: Vol.36(印刷中)
Materials
巻: Vol. 7, No. 3 ページ: 2141-2154
10.3390/ma7032141