研究課題/領域番号 |
23686083
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
淺輪 貴史 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 准教授 (50361796)
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キーワード | 都市熱環境 / リモートセンシング / 対流熱伝達率 |
研究概要 |
研究初年度は、屋内実験を通して、3Dレーザースキャナを用いたリモートセンシングによる、濾紙面の含水率変化の計測方法を提示し、その精度を確認した。また、上記手法を屋外空間に適用した場合の、計測上の課題について検討を行った。具体的に得られた成果は以下の通りである。 ・屋内実験室において、濾紙の含水率を変化させた際の、レーザースキャナの反射強度を距離や入射角の異なる条件下で取得し、両者の関係を定式化した。 ・レーザースキャナ計測における、反射レーザーの入射角依存性、距離依存性の補正、大気吸収の影響を除去し、反射強度から濾紙の含水率変化を正確に同定できるように影響要因分析を行い、各要因の影響を同定した。 ・屋内実験において、実際に本手法により物質伝達率と対流熱伝達率を算出し、適用範囲を確認した。 ・濾紙蒸発法による物質伝達率の同定方法について、濾紙のサイズや湿らせ方、対象物への添付方法について検討した。その結果より、多数の濾紙を使用する本手法における効果的な濾紙の湿らせ方と添付方法を決定した。 ・濾紙蒸発法による物質伝達率の同定方法について、日陰や日向等の適用場所の影響、及び測定精度に及ぼす影響について確認した。気流の変動や分布が激しい屋外空間において適用する場合の課題点を、次年度の実験に向けた明確化した。 ・湿潤濾紙からの蒸発量(含水率変化)から物質伝達率を算出する際には、濾紙の表面温度が必要となるため、濾紙面の表面温度も赤外線放射カメラにより遠隔計測する手法を提案した。この表面温度の測定方法が物質伝達率の算出精度に及ぼす影響を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画が具体的かつ明確に設定されていたため、その計画に従って研究実施ができた。特に大きな問題も発生せずに、順調に成果を得た。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、大きな変更なく研究を遂行することが可能である。
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