過疎地域ニッチ戦略による民間ビジネスを起爆剤としたPPPによるコミュニティ賦活事例の経年的評価と理論的・事例的検証、および、人口3割減時代の1万人定着モデルの理論構築とアクションリサーチによる実地検証に重点を置き、大型小売店舗の過疎地域出店事業を成功させたコープさっぽろの取り組みの分析を踏まえ、地域における未利用・低利用な公共施設群を再編し、自治体・住民・社会的企業のWIN-WIN関係のもとで公共サービスの適正規模化を推進、コミュニティ賦活へ繋げる仮設モデルを導いた。 仮説モデルの実地展開として、北海道上士幌町において、まち全体の公共施設再編に関する町民・自治体との共同によるワークショップ等を通して、持続的な人口定着へ向けての具体的課題を明らかにした。そして、①まちの骨格の分析(立地特性の把握・未利用地の再評価)、②共同・共有の方法(公共サービスの相乗効果・組織と建物の切り離し)、③町民交流の仕掛け(世代間のコミュニケーション・無目的リピーターの歓迎)、④繋がりのデザイン(生活と連動する利用・楽しめる施設間の移動)を計画要点とする公共施設再編のグランドデザインをまとめた。 人口3割減が予想されている地方都市において、人々が地方で定着して自立的・持続的に生活するための理論を実証的に構築したとともに、研究成果を社会的還元として、「まちの整体」の理論に立った公共施設再編計画の実際的適用と事業実施へと繋げることができた。
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