貴金属ナノ粒子を担持したバルクナノ熱電材料の創出と熱電特性

2012 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23686091
• 研究種目: 若手研究(A)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 金属物性
• 研究機関: 大阪大学
• 研究代表者: 黒崎 健 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90304021)
• 連携研究者: 山中 伸介 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00166753) ; 牟田 浩明 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60362670) ; 大石 佑治 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (20571558) ; 清野 智史 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (90432517) ; 石丸 学 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (00264086) ; JUNG Doyoung 大阪大学, 大学院・工学研究科, 博士後期課程学生 ; PLIRDPRING Theerayuth 大阪大学, 大学院・工学研究科, 博士後期課程学生 ; HARNWUNGGMOUNG Adul 大阪大学, 大学院・工学研究科, 博士後期課程学生
• 研究期間 (年度): 2011 – 2012
• キーワード: 熱電材料

研究概要

SbBiTe バルク合金は、室温付近において性能を発揮する高性能熱電材料である。一方、熱電材料の性能指数ZTを向上させるために重要なことは、高い電気伝導率を保ったまま格子熱伝導率κlat を減少させる、つまり電子は散乱されないがフォノンは散乱される状況を、材料中につくりだすことにある。本研究では、γ線照射法を用いて、Sb_<1.6>Bi_<0.4>Te_3 母相中に Au と AuTe2のナノ粒子が均一に分散した完全なナノコンポジット材料を作製した。主に、ナノ粒子と母相との界面におけるフォノン散乱により、ナノコンポジット材料のκlatは大きく減少し、結果、ZTが上昇した。Au と AuTe_2のナノ粒子を担持したSb_<1.6>Bi_<0.4>Te_3バルク熱電材料の最大のZTは 423 Kで 1.01 に達した。この値は、通常の Sb_<1.6>Bi_<0.4>Te_3 バルク熱電材料のZTよりも 18%高い値である。

研究成果

• [雑誌論文] Low-thermal-conductivity group 13 chalcogenides as high-efficiency thermoelectric materials (2013)
  • 著者名/発表者名: Ken Kurosaki and Shinsuke Yamanaka
  • 雑誌名: Phys. Status Solidi A 巻: 210 ページ: 82-88
  • 査読あり
• [雑誌論文] CuGaTe_2: A high-efficiency bulk thermoelectric material (2012)
  • 著者名/発表者名: Theerayuth Plirdpring, Ken Kurosaki, Atsuko Kosuga, Tristan Day, Samad Firdosy, Vilupanur Ravi, G. Jeffrey Snyder, Adul Harnwunggmoung, Tohru Sugahara, Yuji Ohishi, Hiroaki Muta, and Shinsuke Yamanaka
  • 雑誌名: Adv. Mater. 巻: 24 ページ: 3622-3626
  • 査読あり
• [雑誌論文] Effect of phase transition on the thermoelectric properties of Ag_2Te (2012)
  • 著者名/発表者名: Do-young Jung, Ken Kurosaki, Tohru Sugahara, Yuji Ohishi, Hiroaki Muta, and Shinsuke Yamanaka
  • 雑誌名: Mater. Trans 巻: 53 ページ: 1216-1219
  • 査読あり
• [学会発表] Thermoelectric properties of Tl-filled CoSb_3 Based Skutterudites (2012)
  • 著者名/発表者名: Ken Kurosaki
  • 学会等名: IUMRS-International Conference on Electronic Materials (IUMRS-ICEM 2012)
  • 発表場所: Pacifico Yokohama
  • 年月日: 20120923-28
• [学会発表] カルコパイライト型化合物CuGaTe_2 の高温熱電特性 (2012)
  • 著者名/発表者名: 黒崎 健
  • 学会等名: 日本熱電学会第9回学術講演会
  • 発表場所: 東京工業大学
  • 年月日: 20120827-28
• [学会発表] Thermoelectric properties of the Cu-Ga-Te ternary compounds (2011)
  • 著者名/発表者名: Ken Kurosaki
  • 学会等名: E-MRS 2011 SPRING MEETING
  • 発表場所: Congress Center, Nice, France
  • 年月日: 2011-05-12
• [図書] 熱電変換技術の基礎と応用 クリーンなエネルギー社会を目指して (2011)
  • 著者名/発表者名: 黒崎 健、牟田浩明、山中伸介
  • 総ページ数: 130-136
  • 出版者: CMC 出版
• [備考]
  • URL: http://www.dma.jim.osaka-u.ac.jp/view?l=ja&u=2729&n=kurosaki&kc=1&sm=name&sl=ja&sp=1
• [備考]
  • URL: http://www.see.eng.osaka-u.ac.jp/seems/seems/
• [備考]
  • URL: http://thermoelectric-nanosilicon.jp/
• [産業財産権] 熱電変換材料、熱電変換素子およびその作製方法 (2011)
  • 発明者名: 黒崎 健、山中伸介、牟田浩明、大石佑治、Theerayuth Plirdpring、Adul Harnwunggmoung
  • 権利者名: 国立大学法人大阪大学
  • 産業財産権番号: 特願 2011-149055
  • 出願年月日: 2011-07-05