研究課題/領域番号 |
23686093
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柴田 直哉 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10376501)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | STEM / 分割検出 / セラミックス / 界面 / 原子・電子構造 / 軽元素 |
研究概要 |
本年度は昨年に引き続きプロトタイプ分割検出器による界面構造観察法を用いて、種々のセラミックバイクリスタル界面における原子・電子レベルの構造解析を行った。まず、プロトタイプ分割検出器を用いたTiO2界面酸素構造直接観察を行った結果、界面における特異な酸素配位構造の直接観察に成功し、その構造は粒界の方位関係と密接に関連することを実験的に示すことに成功した。これにより、TiO2界面における局所酸素構造の完全決定が可能になることが期待できる。また、プロトタイプ分割検出器による界面ドーパント構造定量評価も行い、界面ドーパント原子とその周囲の軽元素構造まで同時に検出できることが分かった。更に、分割検出を用いることで局所的な電場の情報を計測できることが明らかとなった。また、AFMおよびSTEM観察を用いてをもちいてNiO転位の解析を行い、転位における特異な磁気物性を発見した。この結果は、転位における局所的な原子構造が磁性を発現するキーファクターであることを示している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究計画に示したプロトタイプ検出器を用いた酸化物界面酸素構造解析、界面ドーパント解析、界面物性評価などおおむね達成されており、順調に研究が進展していると判断できるため。
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今後の研究の推進方策 |
これまで予定していた研究が順調に進展しており、本年度は既存のプロトタイプ検出器による界面でポテンシャル及びそれに伴う電場の計測を実際の界面で行うことを目指す。これにより、セラミック界面におけるポテンシャル構造形成の実験的解明を目指す。また、最終的にこれらの知見を総合し、セラミック界面制御指針の構築を目指す。
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