研究課題
Fe-Mn-Al-Ni合金において熱弾性型マルテンサイト変態と超弾性を得るには、NiAlのナノ析出が不可欠であることが示された。そこで、Ni濃度を変化させ、CTEM、HAADF-STEMを用いてNiAl析出とマルテンサイト変態の関係を調査した。Fe-Mn-Al3元系では母相はA2、マルテンサイト相はFCC(A1)であったが、Niを添加するにつれ、母相はA2+B2、マルテンサイト相は周期的な回折スポットが観察されるようになった。そこで、7.5Ni合金をHAADF-STEMにより観察したところ、約10nmのB2相が整合析出していることが観察された。マルテンサイト相内においてB2析出粒子は90°から約5°シアーしていた。一方で、マルテンサイト相はFCC構造であったが、ナノツインが導入されていることがわかった。明確なツイン導入の周期性は見られなかったが、このツイン導入により、モノクリニックアングルに対応する角度が109.5°から95°に小さくなっていた。この角度はNiAl粒子のシアー角と同じであり、両者が整合を保っているため、相互作用が働いていると考えられる。このような状況において、マルテンサイト変態における原子移動の可逆性が生まれていると考えられ、熱弾性型マルテンサイト変態におけるNiAlナノ粒子の役割を明らかにすることができた。さらに、形状記憶効果のNi濃度依存性を調査したところ、NiAlが析出して熱弾性型変態が得られる約5%Niを境にして、高Ni濃度において形状記憶特性が得られることがわかった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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APL Materials
巻: 1 ページ: 032103
10.1063/1.4820429
Physical Review B
巻: 87 ページ: 174410
10.1103/PhysRevB.87.174410
http://www.material.tohoku.ac.jp/~seigyo/lab.html