研究課題
アルミニウム基水素化物の原子・表面構造と水素貯蔵機能に関する研究を進めた。アルミニウム水素化物AlH3は水素体積・重量密度が高く、粒子表面の酸化物相により制御されるシンプルな反応（AlH3 → Al + 3/2H2）により約100℃から水素を放出するため、水素貯蔵材料として注目されている。AlH3エーテル和物のエーテル脱離反応前後試料の中性子散乱測定を大強度陽子加速器施設J-PARCの高強度中性子全散乱装置NOVAで実施して、平均構造解析および局所構造解析することにより、AlH3の生成過程を調べた。エーテル脱離前試料においてもLiAlH4またはAlH3のAl-Hに近い原子対相関が確認でき、AlH3の生成素過程を解明する手がかりを得た。また、リチウム水素化物と複合化することにより低温から水素を放出するリチウムアルミニウムアミドLiAl(NH2)4について、重水素化物LiAl(ND2)4およびその160/400℃熱処理試料の中性子散乱測定-局所構造解析を行った。非晶質化をともなうアンモニア（水素）放出過程において不均化反応（(1-x)LiAl(NH2)4 → x/3Li3AlN2 + 2x/3AlN + 8x/3NH3）を明らかにした。一方、NaAlH4の水素吸蔵放出反応（NaAlH4 ←→ 1/3Na3AlH6 + 2/3Al + H2）は遅いが、数mol%のチタン系触媒添加により10倍程度高速化する。NaAlD4-0.06TiCl3の中性子全散乱測定-平均構造解析から、NaAlD4のAlサイトにはTiが約2mol%置換固溶し、水素サイトに空孔が生成することが示唆された。さらに、Al K-edge XAFS測定からNaAlH4、Na3AlH6、AlH3のAlの化学結合状態が異なる結果が得られ、水素吸蔵放出反応に対する触媒効果の解明に重要な情報が得られた。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Alloys and Compounds
巻: 586 ページ: 244-247
10.1016/j.jallcom.2013.09.209
Materials Transactions
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
日本金属学会会報「まてりあ」
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