研究課題
本研究では,フェムト秒パルスレーザー光の高いピーク強度に加え,位相と偏光の空間分布を高度に制御することで三次元構造を持つ極限光反応場を形成し,物質創製プロセスの場として用い,レーザー光を照射する物質として,高強度レーザー科学の領域では注目されてこなかった密度の高い液体を対象とすることで,三次元構造をもつ極限光反応場と液体との組み合わせによって,究極の環境下でしか生成されないような原子レベルで高度に構造・形態制御された物質の創製を目的に研究を行った.フェムト秒パルスレーザー光を各種貴金属イオンを含む溶液中に集光することで形成される短時間かつ高強度の光反応場では,溶媒分子の分解に起因してラジカルが生じこれらが貴金属イオンを還元することで各種金属粒子が形成されるが,溶解度ギャップを持つためバルクでは作製が困難な組み合わせの合金ナノ粒子についてもレーザーを照射するだけで組成を正確に制御して作製することに成功している.本年度は作製した合金ナノ粒子の触媒活性についてCO酸化反応を用いた評価を行った.全率固溶Rh-Pt合金ナノ粒子ではCO酸化反応の際のPt表面へのCO吸着による被毒や,Rhの酸化などが抑制され触媒の安定性が向上したことが分かった.一方,入射レーザーの偏光を制御することで焦点付近における強高度エネルギー場を三次元的に制御する試みでは,様々な偏光を有するフェムト秒パルスレーザーを集光することで形成される強強度場においても焦点付近における電場の振動方向が制御されていることを明らかにした.一方で,密度揺らぎの大きい溶液ではレーザー照射時に焦点近傍での三次元光反応場を保持するのが難しく,安定かつ連続的な三次元光反応場の形成には課題が残った.
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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