研究課題
本年度は、昨年度に引き続きインプリントリソグラフィーと電気化学反応を組み合わせることにより、トレンチパターンを有するポリアミド酸表面の凸部にのみ金属を析出させた規則的ストライプパターンの作製法について検討を行った。また、イオンドープを施した樹脂内部に金属ナノ粒子を析出させ、回路形成用基板へ適用可能かについても検討した。インプリント法により作製したポリアミド酸フィルムの表面には明確な規則的微細凹凸構造が形成されており、その形状は使用したシリコンウエハ鋳型に追随した形状を有していることが明らかとなった。これらのテンプレート樹脂基板に対し電極を接触させ電圧を印加したところ、カソードに接続したポリアミド酸表面に銀薄膜を形成することに成功した。また、トレンチ幅の異なるポリアミド酸フィルムを用いた場合においてもストライプパターンを作製することが可能であった。本プロセスでは、電気化学反応によりカソード表面で銀イオンの還元が起こり、ポリアミド酸膜中のカルボキシル基からイオンが脱離する。そのため膜内部からカソード側へと銀イオンの拡散が起こり、反応が連続的に進行したと考えられ、反応条件を変化させることでこのメカニズムを立証することができた。また、本プロセスをガラス基板上に作製した樹脂に適応し、金属イオンドープおよび還元のプロセスにより、樹脂内部に金属ナノ粒子を形成させることにも成功した、さらに本プロセスを銅およびニッケルイオンに対し適用したところ、それぞれの回路パターンの形成に成功した。本プロセスは、高価な特殊設備を必要とせず比較的単純な工程にて金属パターンを形成することが可能であることから、低コストかつハイスループットな微細回路パターン形成技術になり得ると考えられる。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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RSC Advances
巻: 3 ページ: 16243-16246
RSC Advances,
10.1039/C3RA42727G
http://www.pi.konan-u.ac.jp/nanomaterials/index.html