本研究では、モノクローナル抗体でありながら2つ目の特異性を人為的に付加させた二特異性抗体の取得プロセスの開発を目指した。抗ヒト上皮増殖因子受容体抗体を基盤に、変異導入箇所や変異アミノ酸種、さらには結合活性の評価法も検討しつつ研究を進めた。結果、複数の変異導入ライブラリと標的抗原を強制的に発現させた動物細胞を用いた生細胞選択を行うことで、また酵素抗体法を用いて評価することで、他の増殖因子受容体にも結合活性を示すクローンの取得に成功した。さらに、他の二特異性抗体の取得を進めることで本プロセスの汎用性の検証も行った。
|