研究課題
「研究の目的」本研究では幹細胞から分化した異種系譜の細胞が共存し、それらが協調して機能を発揮する新規細胞デバイス作製のための基盤技術開発を目的としている。前年度までにDecoy ODN(オトリDNA配列)フェムトインジェクション技術を用いて標的細胞の転写因子活性抑制制御を通じた標的単一細胞の分化誘導を試みたが、細胞状態の個体差が大きいため、単純な同一条件では分化誘導が制御しきれないことが示唆された。そこで本年度は、個々の細胞の状態を判断しながら分化誘導を行うために、単一生細胞レベルで標的遺伝子の発現状況を評価する新手法の開発を行った。「結果」・DNAを基本骨格としmRNAに結合するとFRET(Fluorescence Resonance Energy Transfer)シグナルを生じる標的mRNA測定用DNAナノ構造体蛍光バイオセンサ(DNA-NTFB)を開発した。このDNA-NTFBは、in vitroにおいて標的mRNAを特異的に認識し濃度依存的なFRETシグナルを生じた。そこで細胞固定後にDNA-NTFB を用いてFluorescence in situ hybridizationを行ったところ、標的mRNAのイメージングに成功した。次に生細胞内へDNA-NTFBを導入した後に細胞を固定し、FRETシグナル解析を行ったところ、標的mRNAのイメージングに成功していることが示唆された。これらの結果は、「DNA-NTFBを用いた細胞を殺さない単一細胞レベルの標的遺伝子発現状況評価」が実現可能であることを示唆するものである。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nanomedicine: Nanotechnology, Biology and Medicine
巻: 9 ページ: 855-863
DOI: 10.1016/j.nano.2013.03.003
http://home.hiroshima-u.ac.jp/hisafuna/