研究課題
本年度も引き続き,超臨界流体クロマトグラフィー/質量分析(SFC/MS)を用いたリポタンパク中の網羅的な脂質分析系の構築に取り組んだ.今年度は特に超臨界流体抽出(SFE)のオンライン化に取り組み,オンラインSFE-SFC/MSによる脂質分析系を構築した.従来の液-液抽出法よりも高効率で脂質を抽出でき,酸化脂質などの分解し易い成分も分析可能であった.さらに,脂質データ解析技術の開発についても取り組んだ.三井情報(株)との共同研究により自動同定解析ソフトLipid Searchによるハイスループットのデータ解析ワークフローを構築した.これにより,分析からデータ解析までの一連の行程の標準化ができ,今後の実サンプルの解析に有用なシステムが構築できた.さらに,応用研究における疾患モデル動物の解析として,心筋梗塞自然発症(Watanabe Heritable Hyper Lipidemic Myocardial Infarction :WHHLMI)ウサギにおける脂質解析を行った.まず,コントロールおよび疾患ウサギ(6月齢,21月齢など)の血清中の脂質化解析を行い,疾患進行にともなうプロファイル変動をとらえることができ,またマーカー脂質を特定することができた.さらに,同ウサギ血清の分画についても実施し,各種リポプロテイン画分を取得した.
2: おおむね順調に進展している
今年度予定していたオンライン超臨界流体抽出-超臨界流体クロマトグラフィー/質量分析を用いた脂質分析系の構築については順調に進んでおり,実サンプルを用いたシステムの検証,改良も行っている.また,応用研究の疾患モデルの脂質解析,リポプロテインの分画についても順調に進んでいる.
今後は心筋梗塞自然発症ウサギ等の疾患サンプルにおける各種リポプロテイン分画の脂質分析を進め,それぞれのプロファイルの比較解析を行うことにより,疾患特有のプロファイル取得,マーカーとなる成分の特定を試みる.また,血清,血漿とリポプロテイン画分との脂質プロファイルの比較についても行い,これまでの血清,血漿全体の分析ではとらえられないリポプロテイン特有の脂質プロファイルの取得を試みる.
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