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2011 年度 実績報告書

ホールスラスタの耐久性向上に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23686123
研究機関九州大学

研究代表者

山本 直嗣  九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 准教授 (40380711)

キーワード電気推進 / 推進・エンジン / キャビティリングダウン法 / ホールスラスタ / 寿命 / 光学測定
研究概要

次世代宇宙用推進機であるホールスラスタは,人工衛星の小型化および高機能化を強力に推進するため,各国で競って研究開発が進められている.しかしながらホールスラスタには耐久性の向上という課題が残っている.そこで磁場形状と寿命の関係を調査し,長寿命化の指針を得るために必要不可欠なリアルタイムで定量的に寿命が計測できる寿命評価センサの開発を行った.しかしながら予算の執行の遅れから予定していたレーザーの納品が遅れたために,キャビティリングダウン分光法を用いたセンサではなく,代替法である多層膜コーティング法を用いたセンサの検討を行った.また次年度に計画していたニューロ制御を用いたインテリジェンス電源の開発も前倒しで行った.
インテリジェンス電源を開発するに当たり,核となる制御手法の開発を行った.具体的には,壁面の損耗とともに最適な磁場形状が変わるため,ニューロ制御を用いて最適な磁場で作動するように複数のコイルを自動で制御するシステムを構築し、検証を行った.パラメータとしては寿命ではなく,放電振動の大きさを指標として制御し,うまく制御できることが確認できた.
また,多層膜コーティング法による寿命評価のために,アルミの薄膜を製作し,損耗の様子を観察した,この際にアルミの損耗量を算出し,目標とするSN比をえるために測定誤差をどの程度まで低減させる必要があるのかの検討も行った.この値は次年度にキャビティリングダウン法を用いた寿命評価センサの目標値となる.
またレーザートムソン散乱の改良にも取り組み,キセノンプラズマでのプラズマ密度および温度の計測に成功した.
さらに,キャビティリングダウン法で用いるキャビティの製作および検出用プログラムを作成し,動作確認を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予算の執行の遅れ,それに伴い実験装置の発注が遅れ,当初予定していたキャビティリングダウン分光法を行うには十分な実験期間がとれなかったが,その代わりに次年度以降に予定していたニューロ制御を用いたインテリジェンス電源の開発および多層膜コーティング法による寿命評価が行えたため.

今後の研究の推進方策

当初の研究計画通りキャビティリングダウン分光法を実施し,磁場形状と寿命の関係を明らかにする.さらに,その物理背景をさぐるため,イオンエンジン内部のプラズマ測定で実績のあるレーザートムソン散乱(LTS)法に、ICCDカメラを検出器として用いる改良を加え,イオンの生成・加速過程を明らかにしていく.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Thomson Scattering Diagnostics in the Plasma of an Ion Thruster2012

    • 著者名/発表者名
      N.Yamamoto, et al
    • 雑誌名

      Transactions of the Japan Society for Aeronautical and Space Sciences, Space Technology Japan

      巻: 9(掲載決定)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] High Efficiency Control Method for the Hall Thruster System through Constant Flow Rate Control by Power Supply Control2012

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Osuga, Naoji Yamamoto, et al
    • 雑誌名

      IEICE TRANSACTIONS on Communications

      巻: Vol.E95-B ページ: 133-142

    • DOI

      10.1587/transcom.E95.B133

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Measurement of Plasma Property in an Ion Thruster using Laser Thomson Scattering Technique2011

    • 著者名/発表者名
      Naoji Yamamoto, et al.
    • 雑誌名

      Proceedings of IEPC2011

      巻: IEPC2011 ページ: 200

  • [学会発表] Development of a Miniature Microwave Discharge Ion Engine2012

    • 著者名/発表者名
      Naoji Yamamoto, et al
    • 学会等名
      Asian Joint Conference on Propulsion and Power
    • 発表場所
      西安,中華人民共和国
    • 年月日
      2012-03-02
  • [学会発表] Measurement of Plasma Property in an Ion Thruster using Laser Thomson Scattering Technique2011

    • 著者名/発表者名
      Naoji Yamamoto, et al.
    • 学会等名
      IEPC2011
    • 発表場所
      ウィズバーデン,ドイツ
    • 年月日
      2011-09-13
  • [学会発表] Thrust performance in a low power Hall thruster2011

    • 著者名/発表者名
      Naoji Yamamoto, et al.
    • 学会等名
      The 28^<th> international Symposium on Space Technologyv and Science
    • 発表場所
      Ginowan city, Okinawa
    • 年月日
      2011-06-09
  • [学会発表] Thomson Scattering Diagnostics in the Plasma of an Ion Thruster2011

    • 著者名/発表者名
      Naoji Yamamoto, et al.
    • 学会等名
      The 28^<th> international Symposium on Space Technology and Science
    • 発表場所
      Ginowan city, Okinawa
    • 年月日
      2011-06-08
  • [備考]

    • URL

      http://art.aees.kyushu-u.ac.jp/members/yamamoto/Research_interests-j.html

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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