研究課題/領域番号 |
23686125
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
槙原 幹十朗 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60392817)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 環境技術 / 航空宇宙工学 / 環境対応 / 宇宙インフラ / 知能機械 |
研究概要 |
1)前年度までに得られていた構造特性値を用いることで,系の運動方程式を圧電アクチュエータ・センサーの電荷・電圧をも含めた数式形で同定・導出した.運動方程式が丁寧に導出されたので,制御器と推定器の定式化を行った.この際に線形性の妥当性についての考察も行った. 2)エネルギ回生を行う制御器と振動モード推定を行うカルマンフィルタ推定器のパラメータ決定の為に,実験を模擬する数値計算プログラムを自作した.この自作プログラムは,制振実験だけでは得られないパラメトリックスタディや実験解析補助にも用いることが可能である.基本的にCプログラムのみで書かれていたので,研究の自由度を増すために,多言語への移植も試みた. 3)制御器と推定器の二次形式評価式の重み行列をパラメータとし,制振効果が最も高くなるという意味で最適なパラメータ値を算出した.制御器と推定器のパラメータの決め方に関して一連の流れを習得したので,これから,多様な構造物へ適用できることになった. 4)制御器とモード推定器が機能しているのみならず,エネルギ消費を低減するよう逐次プログラムの最適化を行った.既存の制御理論にオフライン演算を援用する理論改良にも成功した.プロセッサの消費電力が大幅に減少することになった. 5)外部信号の誤差や雑音に対する耐性・各素子の電力消費に関する基礎的な各種実験を行った.圧電電圧出力の誤差をも含めて模擬する電圧発生器を用いて,作成したシステムを繋いで電力を流す実験を行った.雑音や誤差が有りながらも,システムが意図した通り動作することを確認した.本システムの雑音や誤差に対する耐性の詳細なデータの本格的な取得準備に取り掛かった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の震災による悪影響分もキャッチアップしており,ほぼ申請書で計画した通りの研究進展を見せているから.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,多自由度実験系のセルフパワード制振実験の準備と実施を行う.圧電クラスターの特性値を調べ上げ,制御器とカルマンフィルタ推定器のパラメータ値を適切に調整する.現実的な実験系に於いての制振性能を確認する.更に,外部信号のエラーやノイズに対するロバスト性等も詳細に確認していく.本システムの改善・改良アイデアや実験実証を国内外に向けて公表する予定である.
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