研究課題
今年度は、主に複合ペロブスカイト構造を有する透明多結晶サンプルの研究を行った。具体的には、Ba(ZrMgTa)O3、(LaSr)(AlTa)O3 型の化学構造を有する化合物をベースに、La サイトを Y、Gd、Lu を10-100% の間で置換させ、また Zr サイトを Si や Hf に置換させるなどの検討を行い、その特性の変化を詳細に調査した。これらを試行した結果、Yb3+ を 添加したサンプルからは、不純物元素添加によって生成した欠陥によると思われるホストからの発光を検出した。絶対発光量は約 500 ph/5.5 MeV-alpha であったが、これらの化学組成はこれまで検討されてこなかったものであり、Ta といった重元素を含んでいることから、今後の研究に期待が持てる。一見して分かるよう、複合ペロブスカイトは、陽イオン種が多量に含まれており、これらの比率を変化させることで、物性を制御することが可能であるため、引き続き検討を行いたい。またシンチレータとして一般的に用いられている Ce3+ や Pr3+ といった 5d-4f 遷移型の発光中心を添加してみたが、ほとんど発光を示さなかった。これらはエネルギー準位構造による量子物性的な問題ではなく、合成の過程において、3 価希土類イオンが 4+ に酸化されてしまう割合が多いためと考えられる。4 価希土類イオンは、基本的に発光を示さず、仮に示したとしても熱消光が激しいことが理論的に予測されているためである。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Optical Materials
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http://www.lsse.kyutech.ac.jp/~yanagida/index.html