マウスをモデル動物としてメラトニンの生理学的な役割を明らかにするために、メラトニンを合成できるマウス、メラトニンを作れないが前駆体のN-アセチルセロトニン(NAS)は合成できるマウス(NAS+)、どちらも作れないマウスを作製することに成功した。これらのマウスの概日時計に関わる行動を調べたが、違いがなかった。また、寿命にも劇的な違いはないことが判明した。行動学的解析では、特にNAS+のマウスにおいて尾懸垂試験で無動時間が短い、記憶の保持が良くないこと、などのいくつかの違いを見出した。NAS+では神経新生が亢進しているデータも得ることができ、これで説明できるだろう。
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