研究課題/領域番号 |
23687013
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研究種目 |
若手研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 拓宏 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特任助教 (70401164)
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キーワード | 翻訳 / 翻訳開始因子 / eIF2 / eIF2B / X線結晶構造解析 |
研究概要 |
本研究は真核生物の翻訳開始の最初のステップにおいて中心的役割を果たす翻訳開始因子eIF2とその相互作用因子の立体構造解析を進め、eIF2の機能発現のメカニズムを明らかにすることを目的としている。本年度は特にeIF2に対するグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)として機能するeIF2Bの立体構造解析を中心として、研究を進めた。 翻訳開始因子eIF2Bはヘテロ5量体(eIF2Bαβγδε)であり、eIF2BεのC末端側に位置するHEATドメインがGEF活性を担っている。eIF2BはeIF2のGEFという比較的単純な活性を担う因子であるにも関わらず、ヘテロ5量体という複雑な構造をしている。これまでにヒト由来のαサブユニットの立体構造を申請者のグループが明らかにしている他は、上述のεサブユニットのHEATドメインの立体構造情報しか存在せず、どのように5量体が形成されているかは全く不明であった。 本年度は今まで困難であった酵母由来eIF2Bヘテロ5量体の組み換え体の調製方法を確立し、大量精製に成功した。精製したeIF2Bの結晶化条件の探索を試みたところ、立体構造解析が可能なレベルの高品質な単結晶を得ることに成功した。放射光施設における回折実験を行い、実験データの収集に成功した。重原子を用いた初期位相の決定にも成功し、現在までにモデルの構築をほぼ終了している。現在、精密化を進めており、投稿論文を準備中である。 更にeIF2Bの立体構造解析と並行して、酵母由来野生型eIF2の調製法の検討も行った。これまでにリン酸化eIF2αの大量調製法を確立し、eIF2Bとの複合体の結晶化条件を探索中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
eIF2の立体構造の決定には至っていないが、重要なeIF2との相互作用因子であるeIF2Bの立体構造の決定に成功している。
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今後の研究の推進方策 |
計画に大きな変更はないが、X線結晶構造解析法を用いてeIF2とeIF2Bとの相互作用を明らかにすることに特に重点を置いて研究を推進する。
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