研究課題
申請者は研究計画に従ってPINK1やParkinの基質を探索し、既に以下の2つの知見を明らかにした。Parkinの基質を探索する目的でミトコンドリア膜電位低下時にParkinと結合する因子のスクリーニングを行い,VDAC, Tom70, NME2, CISD1, HKIを同定した。細胞質因子であるNME2は解析対象から外し、残りを培養細胞においてParkinと共過剰発現しCCCP処理を行ったところ、VDAC, CISD1, HKIについてユビキチン化に由来すると思われるラダー状の分子量の増加が観察された。他グループの網羅的解析と比較検討した結果、今まで解析されていなかったHKIに着目して解析を進めた。その結果、HKIはミトコンドリア上に局在し、Parkinによってユビキチン化されること、患者由来のParkin変異体はHKIをユビキチン化できないことを明らかにした。申請者はこれら一連の結果から、HKIがParkinの新規基質であることを提唱して論文にまとめたが(BBRC 2012)、後にPINK1研究で著名なMark Cooksonのチームからも類似の内容の論文が報告されて、結論の正しさが証明された(HMG 2014)。PINK1基質については、まずPINK1自身がリン酸化をされていること,言い換えると「PINK1自身が基質である」可能性を見出した。更にこの現象について詳細な解析を行い、「PINK1のSer228/Ser402の自己リン酸化を介した質的制御が異常なミトコンドリアの認識に決定的に重要である」ことを証明し、2012年に論文としてNat Comm誌に発表した。PINK1の基質については、その後も2D-DIGE(蛍光標識二次元ディファレンスゲル電気泳動解析)などを通じた検索を続け、ごく最近、有力な基質候補因子Xを単離することに成功した。現在、論文にまとめるべく実験を進めている。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Genes to Cells
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http://www.igakuken.or.jp/pro-meta/index.html