当該年度より、2次元センサアレイ素子の開発をカスタマイズできる会社と画像処理が専門の会社と協力する事で前年度に引き続き神経活動計測用2次元センサアレイの開発を行った。特に本年度は、得られたデータからシグナル検出を行うため、ノイズ軽減するためのデバイス開発、信号処理解析のアルゴリズム開発を行った。企業と提携し、フーリエ変換を用いたノイズ除去が行えるソフトウェアの開発を行った。その結果、活動電位様のシグナルを取得する事に成功した。ただし、強力なアルゴリズムを用いても非常に弱い信号しか取得できなかった。原因の一つとして、CMOSデバイス上では細胞が成熟するまでうまく生存できないことや、細胞間同士の接着度が通常の培養とは様子が異なることを発見した。そこで、CMOS以外の場所で培養し、ある程度細胞培養が安定した後にCMOSセンサアレイ上で培養する方法を思いついた。方法としてはカルシウムの有無でゾル/ゲル状態を変化させるアルギン酸と呼ばれる高分子を用いる事で、細胞を一旦培養した後で、タンパク分解酵素を使用することなく培養皿から細胞を回収する技術の開発に成功した。この技術を用いる事により、神経細胞が成熟しネットワークを形成した後、そのネットワーク構造を破壊することなく培養皿から回収し別の場所に移し替えることができる神経細胞シートの作製に成功した。本技術は心筋細胞や角膜上皮細胞のシートを作製する温度応答性高分子では作製する事ができなった技術である。本技術で作製した人工組織は強力で同期した神経発火が確認できたためCMOS上に再配置したした最新号検出できる可能性は高い。また、実際に神経細胞シートは積層する事でそれぞれのシートの神経活動が同期することも明らかにし、人工神経組織の作製が行えることも明らかにした。本研究課題のテーマ以外に再生医療分野での応用も期待できる。
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