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2012 年度 実績報告書

RNA監視機構による遺伝子発現制御

研究課題

研究課題/領域番号 23687025
研究機関横浜市立大学

研究代表者

山下 暁朗  横浜市立大学, 医学部, 講師 (20405020)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2015-03-31
キーワードNMD / mRNA分解 / mRNA代謝 / 翻訳終結
研究概要

平成24年度より当初の研究計画にある研究を進めるとともに、NMDを阻害する低分子量化合物の探索のための、SMG1酵素活性ハイスループットアッセイ系の構築を行った。また、低分子量化合物スクリーニングのため、SMG1酵素の大量精製系を構築し、大量精製を行った。SMG1酵素は、400kDaの巨大分子であり、単体では、スクリーニングにしよう可能な安定性を得られなかったが、SMG1:SMG9(SMG1酵素複合体因子)複合体とすることで、これを解決した。さらに、共同研究によりこれを用いたSMG1阻害剤スクリーニングをおこなっている。さらに、培養細胞ベースのNMD活性のハイスループットアッセイ系についても構築にを行った。これを用いて、共同研究により、低分子化合物スクリーニングを開始しており、NMD阻害剤同定が実現しつつある。また、独自に樹立した動物細胞を用いたタンパク質多量精製系を用いて、NMD制御分子の精製を行い、NMDにおけるmRNA分解過程の試験管内再構築を進めている。これについても、当初の予定以上に解析が進んでおり、興味深い結果が得られつつある。
NMD阻害による癌や遺伝性疾患治療を考えるために、NMD阻害の細胞毒性についても解析を進めた。15種のNMD制御分子について、shRNA発現ベクターや合成siRNAを用いたノックダウン解析を進め、SMG-8のノックダウンが最も細胞毒性とNMD阻害のバランスが優れていることを明らかとした。
新規のNMD制御因子を同定するため、SMG5, SMG6, SMG7の結合蛋白質の同定をすすめている。平成24年度は、安定発現細胞株の取得と、スモールスケールの解析を行い、いくつかの新規結合タンパク質を取得している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

NMDの阻害によるガン細胞の増殖阻害について、低分子量化合物の探索を行うことは、研究成果の社会還元を考える上で重要である。平成24年度より当初の研究計画にある研究を進めるとともに、低分子量化合物の探索のための、アッセイ系の構築とそれを用いたNMD阻害剤スクリーニングをおこなった。これについて、ヒトNMDの中心分子の一つであるタンパク質リン酸化酵素SMG1のハイスループットアッセイ系の構築に成功した。さらに、培養細胞ベースのNMD活性のハイスループットアッセイ系についても構築に成功した。これらを用いて、共同研究者が、低分子化合物スクリーニングを開始しており、NMD阻害剤同定が実現しつつある。また、独自に樹立した動物細胞を用いたタンパク質多量精製系を用いて、NMD制御分子の精製を行い、NMDにおけるmRNA分解過程の試験管内再構築を進めている。これについても、当初の予定以上に解析が進んでおり、興味深い結果が得られつつある。

今後の研究の推進方策

現在順調に研究が推移している。現在行っている研究を進めていく。また、SMG5, SMG6, SMG7の結合蛋白質について、大きな実験スケールの解析を行う。さらに、培養細胞ベースのNMD活性のハイスループットアッセイ系について改良を進める。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (4件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Nonsense-mediated mRNA decay - Mechanisms of substrate mRNA recognition and degradation in mammalian cells.2013

    • 著者名/発表者名
      Schweingruber, C.
    • 雑誌名

      Biochim Biophys Acta.

      巻: Epub ahead of print ページ: 1-11

    • DOI

      S1874-9399(13)00027-8. 10.1016/j.bbagrm.2013.02.005.

  • [雑誌論文] Role of SMG-1-mediated Upf1 phosphorylation in mammalian nonsense-mediated mRNA decay.2013

    • 著者名/発表者名
      Yamashita, A.
    • 雑誌名

      Genes Cells.

      巻: 18 ページ: 161-175

    • DOI

      10.1111/gtc.12033.

  • [雑誌論文] The Physiology and Pathophysiology of a Novel Angiotensin Receptor-binding Protein ATRAP/Agtrap.2013

    • 著者名/発表者名
      Tamura, K.
    • 雑誌名

      Curr Pharm Des.

      巻: 19 ページ: 3043-3048

  • [雑誌論文] Analysis of interferon-beta mRNA stability control after poly(I:C) stimulation using RNA metabolic labeling by ethynyluridine.2012

    • 著者名/発表者名
      Abe, K.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun.

      巻: 428 ページ: 44-49

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2012.09.144.

  • [学会発表] PIKKファミリーキナーゼSMG-1の活性制御とmRNA監視機構

    • 著者名/発表者名
      山下暁朗
    • 学会等名
      第35回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡県)
  • [学会発表] Transcriptional Timing Determines the Stability of Interferon-beta (IFN-β) mRNA

    • 著者名/発表者名
      安部開人
    • 学会等名
      第35回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡県)
  • [学会発表] mRNA surveillance approaches clinic.

    • 著者名/発表者名
      山下暁朗
    • 学会等名
      第14回日本RNA学会年会
    • 発表場所
      川内萩ホール(宮城県)
  • [学会発表] mRNA surveillance approaches clinic.

    • 著者名/発表者名
      山下暁朗
    • 学会等名
      第12回蛋白質科学学会年会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県)
    • 招待講演
  • [学会発表] Translation timings determine the density of interferon-beta mRNA stability

    • 著者名/発表者名
      安部開人
    • 学会等名
      The 22nd CDB meeting -RNA
    • 発表場所
      理化学研究所発生再生科学総合研究センター(兵庫県)
  • [学会発表] Specific inhibition of SMG-8 rescues effectively the mutant phenotypes exacerbated by nonsensemediated mRNA decay.

    • 著者名/発表者名
      Yamashita, A.
    • 学会等名
      RNA and Biofunctions Meeting
    • 発表場所
      ホテルレオパレス博多(福岡県)
  • [学会発表] Specific inhibition of SMG-8 rescues effectively the mutant phenotypes exacerbated by nonsensemediated mRNA decay.

    • 著者名/発表者名
      Yamashita, A.
    • 学会等名
      CSHL meeting 2012 transnational control
    • 発表場所
      Cold Spring Harbor, USA
  • [図書] 実験医学 vol.30 No.92013

    • 著者名/発表者名
      山下暁朗
    • 総ページ数
      10
    • 出版者
      mRNA品質管理機構の最新理解と新たな標的治療の可能性

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公開日: 2014-07-24  

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