本研究により、ナンセンス変異を有するmRNAからの異常タンパク質の発現を防ぐmRNA監視機構-NMD(Nonsense-mediated mRNA decay)の分子機構の詳細明らかとした。さらに、NMD制御因子のうち、SMG-8の活性阻害は細胞毒性を示さないことを示し、NMD阻害による遺伝性疾患治療が現実的であることを明らかとした。また、NMDの生理的基質のうちATF4について、その発現調節がmRNA量よりも翻訳調節による寄与が大きいことを示した。これらの成果により、NMDによる遺伝子発現制御の実態解明を進めることに成功した。
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