蛋白質の生合成は、細胞が生きていく上で必要不可欠なプロセスである。一方、アミノ酸は受動的なマテリアルとして要求されるだけではなく、能動的なシグナルとしても働きうる。本研究は、アミノ酸シグナル伝達という普遍的な分子基盤を理解することを目的とした。 生化学的手法とショウジョウバエを用いた遺伝学的手法を組み合わせて研究を行い、解糖系の代謝酵素GAPDHがアミノ酸シグナルに関わることを示唆する結果を得た。また、栄養摂取により誘導されるインスリン様ペプチドの遺伝子発現を調節する転写因子を明らかにした。さらに、個体成長を制御する新規の分泌性“おとり”インスリン受容体(SDR)を同定した。
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