研究概要 |
平成24年度までの研究で、糖核酸トランスポーターMeigoがどのようにEphrin機能を制御するのか、その分子機構を解析し、研究論文として報告した (Nat Neurosci 2013)。平成25年度は、本研究結果を更に発展させる目的で、ショウジョウバエ嗅覚投射神経PNの樹状突起ターゲティングにおけるEphrin/Ephシグナルの役割解明を試みた。その結果、Ephrin/Ephシグナルが、「特定の」PN樹状突起ターゲティングを制御することを見出した。具体的には、約50個存在する糸球体へのPN樹状突起ターゲティングのうち、特にDA1糸球体へのターゲティングがEphrin/Ephシグナルによって制御されていることを見出した。DA1糸球体は、雌雄性行動を司る性フェロモンの感知に重要な糸球体である。次に、内在性のEphrin/Ephの発現パターンを解析する目的で、①Ephrin, Ephに対する抗体の作成、②Ephrin, Ephを検出するためのin situ 結合実験 (Eph-Fc, Ephrin-Fcを使用)を行った。しかし、これらの方法では内在性のEphrin, Ephを感度良く検出することはできなかった。よって、平成26年度は、内在性のEphrin遺伝子, Eph遺伝子を操作することにより、Ephrin, Ephの発現パターンを解析する(今後の推進方策を参照)。
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