研究概要 |
本研究では環境適応性に非常に優れたVigna属野生種を栽培化し、ストレス環境適応性の新作物を作出することが目的である。そのために、栽培種が有する栽培化形質を支配する遺伝子を同定し、変異原処理をした野生種集団からTILLINGによって、その遺伝子の同祖遺伝子が破壊された系統を選抜するという戦略をとっている。 本研究で特に遺伝子の同定を目指している形質は、種子の大きさと裂莢性である。種子の大きさに関しては、ケツルアズキがもつ、一遺伝子の変異によって種子の大きさが2倍になるMOG遺伝子を同定した。また形質転換による機能性の再検定のために、MOG遺伝子の配列の一部を導入したウイルスベクターを作成した。また、ツルアズキが有する、種子サイズを40%増大させるQTLに関しても、詳細マッピングのためのBC3F2集団を構築した。 裂莢性に関してはアズキ×V. nepalensisのBC3F2集団1,100個体を用いた詳細マッピングを行い、候補遺伝子が座乗すると考えられる領域を約100kbほどまで絞り込んだ。 また栽培化を実施する野生種として、病害虫に強く栽培が容易なV. stipulaceaを取り上げ、EMS処理を施した約8,000系統のM1集団を作成・栽培し、3,000個体からM2種子を収穫した。
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