研究課題
NADPH oxidase (Nox)が活性酸素種を生み出すために必要な因子と考えられているRacAの機能解析を行った。ナシ黒斑病菌におけるRacA遺伝子をクローニングし、遺伝子破壊株の作製および、局在性評価のためのRacA-蛍光タンパク質融合レポーター株の作製を行った。racA破壊株は、病原性を完全に失っていたが、その他にも多様な表現型に影響を及ぼしていた。その一例として、胞子の複数個所からの発芽、多分岐などの表現型が認められた。さらに、細胞壁成分のキチンを検出できるWGA (wheat germ agglutinin)の染色性を評価したところ、発芽菌糸においてほとんど陽性反応が認められなくなっていた。また、RacAの発現パターンをリアルタイムRT-PCRにて評価したところ、ナシ葉上においては接種4時間後にピークが生じ、セルロース膜上においては8時間後にピークが遅延することが明らかとなった。また、N端にEGFPを融合させたレポーター株を蛍光顕微鏡観察したところ、菌糸先端部分および隔壁領域に局在が認められた。また、液胞領域には局在しないことが明らかとなった。さらに、racAを欠損させた株にアクチン局在性レポーター株であるLifeAct-EGFP変異株を作製し、蛍光顕微鏡観察を行ったところ、栄養菌糸におけるアクチンの先端領域への局在性が消失することが明らかとされた。このLifeAct-EGFPレポーター技術を用いて、⊿noxB変異株においてもアクチンの局在性を評価したところ、野生株において認められた付着器先端領域におけるアクチンの局在性が失われていることが明らかとされた。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Biological Control
巻: 71 ページ: 1-6
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Genetics
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