研究課題
本年度は、まず、トランスジェニックメダカを用いた新規経シナプス性トレーサー・トランスジーンの評価系の改善を目指し、コンストラクト構成の変更、遺伝子注入量の最適化、解析時期の検討などを行い、評価系を確立した。この評価系によって約2-3週間でトレーサー・トランスジーンの評価が可能となり、評価の効率化が実現した。次に、この評価系を用いて、トレーサー・トランスジーン候補を2種選定して、これらについて発現コンストラクトを作製し、検討を行ったところ、両者共にトレーサー・トランスジーンとして利用可能であることが強く示唆された。この結果、本申請研究の核となる新規トレーサー・トランスジーンの開発に成功したと考えている。新規トレーサー・トランスジーンの開発によって複数の情報伝達神経回路の相関の解析が可能となった。現在、両者のトレーサー・トランスジーンとしての性質の差をしらべ、より有効な方を今後の解析に用いることを計画している。メダカ味細胞特異的に発現を誘導するプロモーター候補として、各味細胞に発現する遺伝子数種の上流配列を取得した。これらをGFP遺伝子の上流に結合したコンストラクトを作製して、メダカ受精卵に微量注入した。味蕾細胞でのGFP蛍光を観察し、評価を行った。現在のところ目的とするプロモーターの取得には成功していないため、受精卵への微量注入を引き続き行うと共に、BACトランスジェニックメダカ作出用のコンストラクト作製の計画を行った。
3: やや遅れている
メダカ味細胞特異的に発現を誘導するプロモーターの評価が十分に行えていない。トレーサー・トランスジーン候補が複数得られるという良い意味で想定外の結果となり、それらの候補間の比較が必要となった。
メダカ味細胞特異的に発現を誘導するプロモーターについて、現在取得している候補配列の評価を優先的に行う。有望なプロモーターが得られない場合は研究計画を変更し、BACトランスジェニックによる発現誘導を検討する。トレーサー・トランスジーン候補については、想定外に複数が得られたため、研究計画にはなかったが、候補間での性能評価のための解析を導入する。これら以外については、研究計画通りに、トランスジェニックメダカの作出、トランスジェニックマウスの作出を行い、味情報伝達神経回路の相関関係の比較を行う。
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