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2012 年度 実績報告書

新規経シナプス性トレーサーによる味覚情報コーディング機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23688016
研究機関東京大学

研究代表者

岡田 晋治  東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (50376563)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2014-03-31
キーワード味覚 / 神経 / メダカ / マウス
研究概要

本年度はまず、昨年度の研究によって開発に成功した2種の新規経シナプス性トレーサー・トランスジーンと、既知のトランスジーンである小麦胚芽レクチン (wheat germ agglutinin, WGA) との性質の違いをしらべることを目的にトランスジェニックメダカ系統の作出を行った。メダカホスホリパーゼC-beta 2 (mfplcb2) プロモーターにWGA、2種の新規トランスジーンを接続した3種のコンストラクトをメダカ受精卵に微量注入し、得られた稚魚を選別して、G0世代のトランスジェニックメダカをそれぞれ数匹得た。G0メダカを野生型に掛けあわせて得たF1メダカをさらに野生型と掛けあわせて、各コンストラクトの系統を数系統ずつ得た。F2世代では各トレーサーに対する抗体を用いて、免疫組織染色を行い、味蕾細胞および神経細胞で強い染色が得られる系統を選別した。今後、これら系統を用いて、トランスジーン間の違いを評価する予定である。
昨年度に引き続き、メダカ味細胞特異的に発現を誘導するプロモーター候補として、各味細胞に発現する遺伝子数種の上流配列を取得した。これらをGFP遺伝子の上流に結合したコンストラクトを作製して、メダカ受精卵に微量注入した。味蕾細胞でのGFP蛍光を観察し、評価を行った。その結果、plcb2発現細胞に発現が内包されるt1r1のプロモーターの取得に成功した。これとトレーサー・トランスジーンを接続したコンストラクトを作製し、トランスジェニックメダカ系統の作出を行なっている。今後さらに、plcb2発現細胞と排他的に発現する遺伝子のプロモーターの取得を目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

トレーサー・トランスジーン候補が複数得られるという良い意味で想定外の結果となり、それらの候補間の比較が必要となった。メダカ味細胞特異的に発現を誘導するプロモーターの取得に手間取っている。以上の解析に時間がとられ、トランスジェニックマウス作出が行えていない。

今後の研究の推進方策

メダカ味細胞特異的に発現を誘導するプロモーターについて、新たに取得した候補配列の評価を優先的に行う。
トレーサー・トランスジーン候補については、想定外に複数が得られたため、研究計画にはなかったが、候補間での性能評価のための解析を行う。
本年度中にトランスジェニックマウスの作出を達成する。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Differential expression analysis throughout the weaning period in the mouse cerebral cortex.2013

    • 著者名/発表者名
      Maeda, N., Kawakami, S., Ohmoto, M., le Coutre, J., Vinyes-Pares, G., Arigoni, F., Okada, S., Abe, K., Aizawa, H., and Misaka, T.
    • 雑誌名

      Biochem. Biophys. Res. Commun.

      巻: 431 ページ: 437-443

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2012.12.150

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Transgenic labeling of higher order neuronal circuits linked to phospholipase C-β2-expressing taste bud cells in medaka fish.2013

    • 著者名/発表者名
      家木誉史
    • 雑誌名

      J. Comp. Neurol.

      巻: 521 ページ: 1781-1802

    • DOI

      10.1002/cne.23256.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of a New IgE-Binding Epitope of Peanut Oleosin That Cross-Reacts with Buckwheat.2012

    • 著者名/発表者名
      小林彰子
    • 雑誌名

      Biosci. Biotechnol. Biochem.

      巻: 76 ページ: 1182-1188

    • DOI

      10.1271/bbb.120063

    • 査読あり
  • [学会発表] 短期亜鉛欠乏におけるラットの味嗜好性変化の解析2013

    • 著者名/発表者名
      山本遼
    • 学会等名
      日本農芸化学会2013年度大会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      20130324-20130328
  • [学会発表] 食餌性鉄欠乏ラットにおける味嗜好性の変化2013

    • 著者名/発表者名
      幸田理恵
    • 学会等名
      日本農芸化学会2013年度大会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      20130324-20130328
  • [学会発表] Taste system in fish.2012

    • 著者名/発表者名
      阿部啓子
    • 学会等名
      XVI International Symposium on Olfaction and Taste (ISOT 2012)
    • 発表場所
      Stockholm, Sweden
    • 年月日
      20120623-20120627
    • 招待講演
  • [学会発表] Establishment of a new cell-based assay to measure the sweetness intensities of ligands including fluorescent substances.2012

    • 著者名/発表者名
      戸田安香
    • 学会等名
      XVI International Symposium on Olfaction and Taste (ISOT 2012)
    • 発表場所
      Stockholm, Sweden
    • 年月日
      20120623-20120627
  • [図書] 生物の科学 遺伝2012

    • 著者名/発表者名
      岡田晋治
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      亜鉛欠乏と味覚障害・食行動異常
  • [備考] 東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻生物機能開発化学研究室

    • URL

      http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/biofunc/

  • [備考] 小型魚類メダカをモデルとした味の情報伝達・処理に関わる神経回路の標識

    • URL

      http://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/2013/20130415-1.html

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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