研究課題
われわれが感じる5つの基本味の味情報は末梢の味蕾では別々の細胞集団で受容されることが明らかになってきた。一方、受容された味情報の神経伝達・中枢での認識という味覚情報のコーディング機構は不詳である。本申請研究は、① 2種以上の細胞を起点とする情報伝達神経回路の可視化を実現する新規の経シナプス性トレーサー・トランスジーンをメダカを用いて開発し、②新規トレーサーを用いて、マウスおよびメダカにおいて、2種以上の基本味の情報伝達経路を区別して可視化し、各経路の相関を明らかにすることを最終目標としたものである。本年度はまず、昨年度に引き続き、開発に成功した2種の新規経シナプス性トレーサー・トランスジーンと、既知のトランスジーンである小麦胚芽レクチン (wheat germ agglutinin, WGA) との性質の違いをしらべることを目的にトランスジェニック (Tg) メダカの系統化を進めた。系統化したTgメダカに対して各種染色を行い、その輸送活性を評価した。2種の新規経シナプス性トレーサー・トランスジーンは、WGAよりは弱いが、十分な活性を有していることを明らかにした。また計3種の経シナプス性トレーサー・トランスジーンを用いて、情報伝達神経回路の相関解析が行えるかを検討した。メダカホスホリパーゼC-beta 2 (mfplcb2) プロモーターでトランスジーンを発現誘導したTgメダカ系統と、t1r1プロモーターで異なるトランスジーンを発現誘導したTgメダカ系統とを掛けあわせて二重Tgメダカを作出し、各種染色に供した。その結果、各トレーサーを別々に検出出来る系を確立し、情報伝達神経回路の相関解析が可能であることが強く示唆された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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