コロイドの凝集・分散を予測する基礎理論に着目し、土壌侵食や水処理など農業工学で対象とする技術的課題についての適用性を考察し、実務的な観点から理論の有効性と発展に必要な項目を検討した。その結果,電気泳動から粒子の表面電位を得る方法を確立し、得られた表面電位を用いて、コロイドの安定性を予測する方法の有効性を確認した。一方、流れ場の影響を考慮した場面では理論的に不備な点があることが明らかになった。また、異種の高分子が複合体化して形成されるポリイオンコンプレックスが土壌の雨滴侵食に対して劇的な抑制効果を示すことを明らかにした。
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