研究課題
本年度に得られた主要な成果は以下の通りである1.警報フェロモンに関する研究これまでの研究より警報フェロモン分子を同定することに成功し、4-メチルペンタナールとヘキサナールの混合物がその主要な分子であることが判明した。そして、この成果を米国科学アカデミー紀要に公表することができた。また、フェロモン効果の1つである雄の性行動抑制をモデルとして用い、警報フェロモン効果の中枢作用メカニズムを検討した。その結果、フェロモンは分界条床核を活性化させることでストレス中枢である室傍核の反応性を増強させ、フェロモンが存在しない場合より多くの副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)の放出を促し、それが弓状核からのオピオイドの放出を促し、性行動を抑制しているという回路が示唆された。2.安寧フェロモンに関する研究前年度の研究結果より揮発性であることが確認された安寧フェロモンを、効率的に捕集する方法の開発を試みた。その結果、警報フェロモンを捕集した方法と同様の方法にて、安寧フェロモンも捕集可能であることを示唆する結果を得ることが出来た。また、社会的距離が近いラットの方が、社会的距離が遠いラットと比較して、より強いフェロモン効果を引き起こす事が明らかとなったことや、フェロモンを嗅いだ個体では扁桃体外側核の活性化が抑制されることが電気生理学的に明らかとなったことから、嗅いだ個体に安心感を与える安寧フェロモンの存在を支持する、さらなる強固な証拠を得ることが出来た。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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