白色腐朽担子菌は森林生態系における木質バイオマスの主要な分解者であるが、腐朽材中の白色腐朽菌とその他の微生物との相互作用についてはほとんどわかっていない。本研究では、腐朽木材中から木材腐朽菌と共存細菌をそれぞれ分離し、網羅的に解析を行った結果、ある種の細菌が木材腐朽菌の菌糸伸長を促進するという新規な現象を明らかにした。多くの相互作用を見出したが、たとえば白色腐朽菌Stereum sp. TN4Fの菌糸伸長は、共存細菌Curtobacterium sp. TN4W-19のコロニーに向かって促進される。白色腐朽菌の生育を促進する細菌の存在は初めての報告であり、今後の詳細な検討が期待される。
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