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2011 年度 実績報告書

複核錯体の精密設計を基軸とする分子変換法の革新と医薬リード探索

研究課題

研究課題/領域番号 23689002
研究種目

若手研究(A)

研究機関東京大学

研究代表者

松永 茂樹  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 准教授 (50334339)

キーワード不斉触媒 / 医薬リード / 不斉合成 / 天然物合成 / 複核錯体 / シッフ塩基
研究概要

初年度にあたる23年度は、希土類金属に頼らずに高い触媒性能を生み出す設計戦略の一般化とtarget orientedな触媒開発を通じた力量向上を目指した検討を行った。本来それほど塩基性の強くない卑金属種を用いて高い塩基触媒活性を持たせるためには、従来の単核金属salen触媒には存在しない、外部0202配位場の金属種の機能開拓がもっとも重要となる。複核ニッケル触媒における予備的な検討から、「外部0202配位場金属に"歪み"をもたせ」、歪み開放を駆動力とする塩基機能の発揮が重要であることが示唆されていたので、この概念をマンガンなど他の卑金属種へ一般化するべく、各種触媒の調製を行い検討を進めた。特に、多官能性化合物の化学選択的修飾を触媒の特異な官能基認識により達成するための触媒の力量の向上に向けた検討として、天然物&医薬品合成を目的に設定しtarget orientedな触媒開発を行った。
検討の結果、マンガン錯体の微調整を行うことで最良の触媒系を創製することに成功し、高い官能基耐性をもち、同時に化学選択的分子活性化に長けた触媒の開発に成功した。詳細なマンガン錯体の解析を通じ、様々な基礎情報を蓄積することができた。また、開発した新規マンガン錯体を活用することでビスオキシインドールのダブルMichael反応に成功し、連続四置換不斉炭素中心を有する天然物であるチモナンチンの初の触媒的不斉全合成にも成功した。続けて、これらの研究を通じて得られた知見を他の触媒系へと適用拡大していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初、設定した課題、目標に対し、概ね順調に成果を出すことが出来た。また、途中にマンガン錯体の検証において思いがけず新たな知見を獲得することもでき、今後につなげうる成果を得ることが出来ている。

今後の研究の推進方策

特に大きな問題はないため、これまでに蓄積した知見を基盤にさらに触媒の開発、改良、応用展開に取り組む。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Catalytic Asymmetric Total Synthesis of Chimonanthine, Folicanthine, and Calycanthine via Double Michael Reaction of Bisoxindole2012

    • 著者名/発表者名
      Harunobu Mitsunuma, Masakatsu Shibasaki, Motomu Kanai, Shigeki Matsunaga
    • 雑誌名

      Angew. Chem. Int. Ed.

      巻: 51 ページ: 5217-5221

    • DOI

      DOI:10.1002/anie.201201132

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Catalytic Asymmetric Amination of Oxindoles Under Dinuclear Nickel Schiff Base Catalysis2012

    • 著者名/発表者名
      Shinsuke Mouri, Zhihua Chen, Shigeki Matsunaga, Masakatsu Shibasaki
    • 雑誌名

      Heterocycles

      巻: 84 ページ: 879-892

    • DOI

      DOI:10.3987/COM-11-S(P)66

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Construction of Contiguous Tetrasubstituted Chiral Carbon Stereocenters via Direct Catalytic Asymmetric Aldol and Mannich-type Reactions2011

    • 著者名/発表者名
      Shigeki Matsunaga, and Tatsuhiko Yoshino
    • 雑誌名

      the Chemical Record

      巻: 11 ページ: 260-268

    • DOI

      DOI:10.1002/tcr.201100020

    • 査読あり
  • [学会発表] Hetero & Homo-dinuclear Schiff Base Complexes as Bifunctional Asymmetric Catalysts2011

    • 著者名/発表者名
      Shigeki Matsunaga
    • 学会等名
      Merck-Banyu Lectureship
    • 発表場所
      Harvard University(USA)(招待講演)
    • 年月日
      2011-10-28
  • [備考]

    • URL

      http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~kanai/publication/index.html

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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