• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

細胞融合メカニズムから迫る、ポドソーム形成の新たな意義

研究課題

研究課題/領域番号 23689020
研究機関北海道大学

研究代表者

及川 司  北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (20457055)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2014-03-31
キーワード細胞融合 / ポドソーム / 上皮ー間葉転換
研究概要

臨床がん組織の染色観察により、非常に稀ではあるが、マクロファージ-がん融合細胞が存在することが示唆された。こうした融合細胞の性質を調べる始めのステップとして、マクロファージの機能や破骨細胞分化のマスター転写因子であるNFATc1に注目した。NFATc1は破骨細胞またはその前駆細胞において発現及び活性化が必要十分であるが、多くのがん細胞では発現が認められない。融合細胞においては、がん細胞とマクロファージや破骨細胞の核と細胞質が共存するため、がん細胞の核はNFATc1の影響を新たに受けることになる。この状況を模倣するために、恒常的活性化型NFATc1 (NFATc1CA)の発現を薬剤(Dox)により誘導できる乳がん細胞株 (MCF7-NFATc1CA)を樹立し、遺伝子発現や浸潤能獲得への影響を調べた。その結果、以下の知見を得た。(1)NFATc1CAの発現を誘導すると、もともと非浸潤性であるMCF7細胞は、浸潤能を獲得する。(2)NFATc1CAは、MCF7細胞にSnailやZeb1などの上皮-間葉転換に関与する転写因子の発現を誘導し、細胞間接着分子であるE-cadherinの発現を転写レベルで抑制する。(3) この細胞をヌードマウスへ皮下移植し、Dox入りの餌を与えNFATc1CAの発現を誘導した個体では腫瘍が皮下に生着し、ある程度まで増殖した。しかし通常の餌を与えNFATc1CAの発現を誘導していない個体ではほとんど生着しなかった。(4) NFATc1CAの発現を誘導したMCF7細胞由来の腫瘍は、腫瘍の辺縁部において周囲の組織への浸潤が認められた。このことは、浸潤能を持たない正常上皮細胞や原発部位のがん細胞は、破骨細胞、マクロファージやその前駆細胞と融合することで生存に有利になったり、浸潤能を獲得する可能性があることを示している

現在までの達成度 (区分)
理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Acquired expression of NFATc1 downregulates E-cadherin and promotes cancer cell invasion2013

    • 著者名/発表者名
      Oikawa T, Nakamura A, Onishi N, Yamada T, Matsuo K, Saya H
    • 雑誌名

      Cancer Res

      巻: 73(16) ページ: 5100-5109

    • DOI

      10.1158/0008-5472.CAN-13-0274

    • 査読あり
  • [雑誌論文] IRSp53 mediates podosome formation via VASP in NIH-Src cells2013

    • 著者名/発表者名
      Oikawa T, Okamura H, Dietrich F, Senju Y, Takenawa T, Suetsugu S
    • 雑誌名

      PLoS ONE

      巻: 8(3) ページ: e60528

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0060528

    • 査読あり
  • [学会発表] がん-マクロファージ細胞融合による、がん悪性化機構の解析2013

    • 著者名/発表者名
      及川 司
    • 学会等名
      第2回蛍光バイオイメージングミニシンポジウム
    • 発表場所
      北海道大学電子科学研究所(札幌市)
    • 年月日
      20130920-20130920
    • 招待講演
  • [学会発表] アダプター分子Tks5依存的なポドソーム/インベードポディア形成と、これを介した破骨/がん細胞融合の解析2013

    • 著者名/発表者名
      及川 司、尾山大明、秦 裕子、中村敦子、大西信幸、上原俊介、宇田川信之、山田健人、佐谷秀行、松尾光一
    • 学会等名
      第86回日本生化学会大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜市)
    • 年月日
      20130911-20130913
  • [備考] 慶應咸臨丸プロジェクトHP (及川司)

    • URL

      http://www.careerpath-prj.keio.ac.jp/kanrinmaru/scholar/oikawa/index.html

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi