研究課題
新規のナルコレプシー関連遺伝子を同定するために、まず日本人のナルコレプシー患者から採取したDNAサンプル約400例及び健常者DNAサンプル約1,600例を用いたゲノムワイド関連解析を行った。次に、独立の新規サンプルセットを用いた再現性研究(ナルコレプシー患者約250例及び健常者約850例)を行った。その結果、CCR1及びCCR3遺伝子近傍のSNPとナルコレプシーとの間に有意な関連を認めた。また、情動脱力発作を伴わないナルコレプシーのHLA遺伝子の関連解析も実施し、HLA-DQB1*06:02と有意に関連することを確認した。このように免疫関連遺伝子がナルコレプシーの感受性遺伝子として同定されることから、その病態に免疫系が関与することは間違いないものと考えられる。真性過眠症のゲノムワイド関連解析(患者約100例及び健常者約1,600例)及び再現性研究(患者約200例及び健常者約450例)も同様に行い、ゲノムワイドな有意水準に達するSNPを同定した。このSNPはカルニチンシャトル及び脂肪酸β酸化にかかわるCRAT遺伝子の近傍に位置している。このSNPの遺伝子型とCRAT遺伝子の発現量には有意な相関があり、さらにこのSNPの遺伝子型はある特定のアシルカルニチンの血中濃度と有意に相関することを確認した。今後、そのアシルカルニチンの血中濃度を過眠症(真性過眠症やナルコレプシーなど)や健常者のサンプルを用いて測定し、比較検討を行う予定である。また、そのアシルカルニチンが睡眠の制御にかかわるか、機能的な検討が必要であると考えられる。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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