多くの疫学研究や動物実験により、食品によるがん予防効果が示唆されてきたが、食品成分それぞれの直接の標的分子については、ほとんどわかっていなかった。今回、独自に開発したケミカルバイオロジーの手法を用いて、4つの代表的な食品成分について、結合タンパク質を網羅的に同定することに成功した。さらに、食品成分結合タンパク質のがん促進機能も複数発見し、食品成分による増殖抑制メカニズムを詳細に明らかにした。将来、食品成分結合タンパク質の発現量や遺伝子多型(個人差)の情報が、がんのテーラーメイド予防の実現に貢献することが期待される。
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