研究課題
慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:CKD)における高リン血症は、血管石灰化に関与することから、CKD患者における生命予後を左右する重大な因子であり、生体内リン管理は特に重要視されている。さらに、近年リン代謝研究は進歩し、新しい概念が登場した。申請者はこれまでアミノ酸やリントランスポーターの同定、およびリン代謝調節研究等を行い、新しいリン代謝の分子基盤確立に貢献してきた。本研究では、リン代謝の新しい調節臓器である唾液腺および脳室に焦点を絞り、新規の高リン血症予防に繋がるコンディショナルノックアウトマウスモデルを確立させ、その全貌を解明する。平成24年度は、SLC34A2 コンディショナルノックアウト マウスの個体作製(交配)を行った。SLC34a2 flox/+ マウスとSLC34a2 flox/+を交配させ、SLC34a2 flox/floxマウスを得た。更にCre-recombinase マウス (SalivaCre+)と交配しSLC34a2 flox/flox、Cre+マウスを得る事ができたので、タモキシフェン誘導条件を検討する準備が出来た。SLC34A3に関する研究については、SLC34A3KOマウスを用いて脳室へのリン溶液投与を行い、リン代謝に対する応答を解析できた。
3: やや遅れている
おおむね順調であるが、平成23年度において、ターゲッティングベクター作製が遅れていた事に続き、今年度はマウス交配に関して育児放棄他の問題があり、遅れを有した。
巣材等を考えマウスの育児環境を整え、マウス交配が順調になりつつあることから、今後は群間における匹数をそろえる事ができると考えられる。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 2件)
Kidney Int
巻: 83 ページ: 41-49
10.1038/ki.2012.308
J Ren Nutr
巻: 23 ページ: e11-20
10.1053/j.jrn.2012.02.006
J Clin Endocrinol Metab
巻: 97 ページ: E1978-E1986
10.1210/jc.2012-1279
Am J Physiol Cell Physiol
巻: 302 ページ: C1316-C1330
10.1152/ajpcell.00314.2011